神前結婚式とは

結婚式から始まる新しい家庭の伝統文化

神前挙式が一般的になったのは戦後でした。住宅事情などで家内婚礼が困難になると共に多くの神社が神前挙式を始め、その後、神殿を設けた結婚式場やホテルなどの施設が増えるなかで普及しました。


神前挙式が数十年の短期期間で急増した背景には、神宮詣や七五三、成人式、厄払いなど、人生の節目に家族で神様へ参拝するという日本人の文化があったのも理由といえます。

 近年、結婚式のスタイルが目まぐるしく変化し、チャペル挙式が多数を占めるようになる一方で形式的な挙式を嫌い、挙式を行なわないカップルも増えつつあります。

先祖から連綿と受け継がれた人生儀式のなかでも、結婚式はその日だけで終わる形式的なものではなく、新しい家庭を築く節目の儀式であり、これから一生続く家族の歴史の始まりです。

宗教的な感覚ではなく、ご先祖様や家族の絆など「和の心」を大切にしてきた日本人にとって生活に根ざした自然な婚礼スタイルといえるでしょう。


日本の伝統を受け継いだ神前結婚式

>神前挙式
日本では古くから結婚を神様やご先祖様に感謝し、子孫繁栄や家庭円満を願ってきました
神前挙式には、永い歴史のなかで受継がれてきた日本人の絆や信仰心を感じることができます。

連綿と続く日本の婚礼文化を継承する日本人の婚儀
 日本の結婚式の起源は古く、「古事記」や「日本書紀」に記された神話の世界にも登場します。その中には「いざなぎのみこと」という男神と「いざなみのみこと」という女神が結婚の儀を執り行ったとされ、この二柱の神にならって神々の御心にかなった結婚をすることが立派な子どもを授かると記されています。


 自然と共に生活してきた日本人は、自然界に在する神様(八百万の神)に祈りを捧げるという素朴な信心があり、現在でも様々な神祭や人生の通過儀礼として伝えられています。

なかでも結婚は、新たな命を生み、育むという人間の最も大切な営みの始まりとして尊重され、夫婦として結ばれたことを神々のお恵みとして感謝する心が先祖代々より受継がれてきたのです。

 平安時代に宮廷・貴族の間で執り行われるようになった結婚の儀式は、現在も皇室の御婚儀として受継がれていますが、一般庶民の婚儀は、家々の床の間がある座敷で三三九度の固めの杯を交わす、いわゆる「祝言」スタイルで行なわれていました。


床の間には信仰する御神名などが書かれた掛け軸を飾り、酒や縁起物などが供えられ、新郎新婦がそのお神酒をいただくことが夫婦の契りが結ばれ、神恵に預かれるという考えに基づいたもので、家庭での神前挙式でもあったのです。

 こうして床の間を中心として生まれた初期の家内婚儀は、小笠原流などの諸家によって体系化され、生活様式の変化や地域の風習による変遷をたどり、近年まで一般的な結婚の礼式として伝承されてきました。